俺様石油王に懐かれて秘密の出産したら執着されてまるごと溺愛されちゃいました
(寄りによって、何でこの病院に…… )
休憩スペースに駆け込み、落ち着く為に、ハァーッと深い溜息を二度と吐いた。
「一花!」
呼ばれたと同時に、後ろから強い力で抱きしめられた。
(ああっ…… 忘れたくても忘れられない…… この温もり…… この香りを私はまだ、覚えている……)
絆されそうになり、ハッと我に返る。
「離して……!」
束縛を解いて、と伝えようとして、顔を後ろに向けた。
「!?」
瞬間、顎を掴まれ強引に、噛み付く様な深いキスが落とされた。
「んんっ…… やめ……っ」
口を開けた所に、待ってましたとばかりにヌルリッ、と舌が侵入する。
「んーんーっ!!」
腰からお腹に強く回された手を、トントンッと、懸命に叩くが、ガッチリと掴んで離してくれない。
私の抵抗など意に返さず、彼はもっともっと、とばかりに口内を貪る。
「……っ、んっ…… 」
二人の唾液が溶け合って、口内を蕩けさせる快感に、流されてしまいたくなる。