俺様石油王に懐かれて秘密の出産したら執着されてまるごと溺愛されちゃいました
「はい、プレゼント」
「……鍵、ですか?」
そう、とカミールはニッコリと笑う。
「明日ね、アミールが退院なんだ。
ウィルスの蔓延防止措置の事もあるし、一花も看護師としての立場があるだろうから、外でおおっぴらに会うのは避けた方が良いだろうって思って」
で、本題はこっちね、と、いくつかの高級ショップの紙袋を手渡された。
「アミールから伝言。明日、ここで待ってるから来て欲しい、逢いたいって」
「逢いたい…… 」
息の詰まるような、小さな呟きが漏れ、胸の奥からじわじわと、暖かい何かが込み上げて来るのを感じた。
(…… 私も、逢いたい…… )
まさかアミールから、そんな事を思って貰えるとはも思わず、自然に頬が緩んだ。
私も、配置換えの時、挨拶も出来ずに別れたのがずっと心残りで、帰国する前に一言だけでも挨拶したかった。
……でも……
「婚約者のいる人と、二人で会うのは、誤解を招くだけです。仕事じゃないなら、私は行けません」
カミールはフッと、頬を緩ませると
ワシャワシャと私の頭を撫でた。
「ふぇ?! いきなり、な、何するんですか?!」
驚いて目を丸くする私に、フハッと、小さく笑い声を漏らす。
「真面目だな一花は。アイシャの事は心配しなくて良いよ。アミールは僕にとっても大事な弟だからね、不利になる様な事はさせないよ。……それに、今までどんな女性にも、興味を示さなかったアイツが、こんなに執着するなんて、珍しいしね」
兄としては、可愛い弟に、協力を惜しまざるを得ないでしょうと、見覚えのある、ニヨニヨした笑みを浮かべる。
「アイツからは逃れられないと、覚悟しておくんだね」
最後の方は、怖い事を言われた様な気がするが、
(アミールに逢える……)
と、浮き足だった私の頭からは、直ぐに抜け去った。
「……鍵、ですか?」
そう、とカミールはニッコリと笑う。
「明日ね、アミールが退院なんだ。
ウィルスの蔓延防止措置の事もあるし、一花も看護師としての立場があるだろうから、外でおおっぴらに会うのは避けた方が良いだろうって思って」
で、本題はこっちね、と、いくつかの高級ショップの紙袋を手渡された。
「アミールから伝言。明日、ここで待ってるから来て欲しい、逢いたいって」
「逢いたい…… 」
息の詰まるような、小さな呟きが漏れ、胸の奥からじわじわと、暖かい何かが込み上げて来るのを感じた。
(…… 私も、逢いたい…… )
まさかアミールから、そんな事を思って貰えるとはも思わず、自然に頬が緩んだ。
私も、配置換えの時、挨拶も出来ずに別れたのがずっと心残りで、帰国する前に一言だけでも挨拶したかった。
……でも……
「婚約者のいる人と、二人で会うのは、誤解を招くだけです。仕事じゃないなら、私は行けません」
カミールはフッと、頬を緩ませると
ワシャワシャと私の頭を撫でた。
「ふぇ?! いきなり、な、何するんですか?!」
驚いて目を丸くする私に、フハッと、小さく笑い声を漏らす。
「真面目だな一花は。アイシャの事は心配しなくて良いよ。アミールは僕にとっても大事な弟だからね、不利になる様な事はさせないよ。……それに、今までどんな女性にも、興味を示さなかったアイツが、こんなに執着するなんて、珍しいしね」
兄としては、可愛い弟に、協力を惜しまざるを得ないでしょうと、見覚えのある、ニヨニヨした笑みを浮かべる。
「アイツからは逃れられないと、覚悟しておくんだね」
最後の方は、怖い事を言われた様な気がするが、
(アミールに逢える……)
と、浮き足だった私の頭からは、直ぐに抜け去った。