俺様石油王に懐かれて秘密の出産したら執着されてまるごと溺愛されちゃいました
アミールside3
信じられない事に、俺の知らぬ間に、双子の子供が産まれていた。
「…… 許せない…… 」
なぜなんだ! なんで俺に秘密で産んだんだ!!
一花、恨むぞ!
唇を尖らせ、抗議をする。
世の中の夫がする、立ち会い出産も、陣痛の時の苦しみに満ちた一花の顔も、見る事が出来なかった…… 。
はああーっ……、愛する一花の事なら何でも知っていたい。
俺だけに笑顔を振り撒き、俺だけに怒る。
囲って、閉じ込めて誰の目にも触れさせたくない。
我ながら酷い執着に笑いが込み上げてくる。
それなのに、それなのに、だ。
何と、愛すべき人が、俺の子供を産んだ。
守るべき対象が三人に!!
「はああああああーーーーっ」
幸せが過ぎる。
アルとルルの初めてを見る事が出来なかった悲しみがフツフツと湧き上がる。
初めての、沐浴、オムツ変え、授乳に夜泣き、お宮参りに、寝がえりーーーっ!!
「あ、俺、全部一緒にいたわ 」
フッと、自慢気な顔で見下す伊織がいた。
グウウウゥゥーーーッ!!、伊織めーーっ!!
俺にも、俺にも幸せを分けてくれ!
「どうしたの、そんな怖い顔して。 こっちで一緒にお茶しましょう、あ、な、た」
「あ、あ、あなただと?! 」
「キャアーーーッ! 言っちゃったわ」
手で顔を覆い、耳まで真っ赤にしている俺の嫁、可愛いが過ぎる!!
「パッパ?」
「パー! 」
「凄いーーっ! 二人ともパパって初めて言えたのね 」
「「あい!」」
うわああああぁぁっーーー!!
身体の奥から暖かいものがブアッと湧き上がって来る。
俺は嬉しくて、三人を抱きしめた。
「初、あなた呼び、パパ呼び頂きました!! 」
あああ…… 、幸せが過ぎて、やっぱり俺は、バカになる。