魔法学校の売店係〜実力を隠すアイテム士はドラゴンと一緒に旅費を稼ぐ!〜
「では、エルシィ様とステラ・マクスウェルを一組とし、後は――――」
ブリックル先生は生徒達から対戦相手の希望を聞き、次々と組み合わせを決めていった。
全ての生徒が対戦相手を得た後、野外の闘技場へ移動になる。
隣を歩くレイチェルが心配そうにステラの顔を覗き込んできた。
「ねぇ、ステラ。大丈夫なの? 王女様はああ見えて結構強いらしいよ」
「う~ん……」
レイチェルが心配してくれるのは嬉しいが、彼女が思うほどステラは弱くない。
ステータスの一部が人間の標準を大きく超えているため、相棒のドラゴンによって、本当のステータスを隠されているのだ。
彼の話によると、この国では出来る限り無害な人物に見せておいた方が生きやすいとのことだったので、問題の箇所だけでなく、ステータスを全体的に改ざんしている。
ちなみに、偽りのステータスはこのような感じだ。
【ジョブ】魔法使い L v24
【サポートジョブ】ナシ
【パラメータ】 STR:7 DEX:5(☆) VIT:20(+100) AGI:54 INT:214(+100) MND:257(+100) HP:850 MP:2,976 (☆)
【アビリティ】攻撃魔法Ⅱ、治癒魔法Ⅲ、防御魔法Ⅲ、生産魔法Ⅴ、分析魔法Ⅴ
(STR→物理攻撃力、DEX→器用さ、VIT→防御力、AGI→素早さ、INT→攻撃魔法威力、MND→回復魔法威力)
これらパラメータのうち、DEXとMPに対してアジ・ダハーカが実際の数値の十分の一にしており、VIT、INT、MNDにはステラが愛用しているトンガリ帽子の装備補正がかかっている。
更に、アジ・ダハーカはジョブとサポートジョブを入れ替えるような書き換えもしている。
正しいステータスはこのようになる。
【ジョブ】アイテム士 L v48
【サポートジョブ】魔法使い L v24
【パラメータ】STR:7 DEX:488 VIT:20(+100) AGI:54 INT:214(+100) MND:257(+100) HP:850 MP:29,760
【アビリティ】効能倍加、効能反転、効果移動、エーテル抽出、エーテル添加、変質/攻撃魔法Ⅱ、治癒魔法Ⅲ、防御魔法Ⅲ、生産魔法Ⅴ、分析魔法Ⅴ
実際のアビリティ11個のうち、6個はアイテム士として習得したので、アジ・ダハーカの書き換えの術により、パラメータ上は綺麗サッパリと消えてしまっている。
嘘のステータスだけで判断されるならば、かなり弱い生徒だと思われても仕方がないのだ。
まぁそれはいいのだが、問題はこれから行う戦闘だろう。
DEXの数値はクリティカル(確率により、実際の実力以上に相手にダメージを与える事)にも影響が出てしまうため、ちょっとした攻撃をしただけで、運悪くエルシィに致命傷を与えかねない。
王族である彼女を”安全に”戦闘不能状態にする方法を考えたいところだ。
(そもそも王女様のステータスはどんな感じなのかな? ちょっと拝見しよう。【アナライズ】!)
前を歩くエルシィの背に向かって手を翳すと、彼女の背中に赤いマークが薄っすらと付き、ステラの目の前にデータが浮かぶ。
【名前】エルシィ・ブロウ
【ジョブ】魔法使い L v34
【サポートジョブ】魔法剣士 L v17
【パラメータ】STR:131(+350) DEX:183 VIT:107(+150) AGI:187 INT:363(+50) MND:315 HP:2,410 MP:5,230
【アビリティ】攻撃魔法Ⅲ、治癒魔法Ⅱ、防御魔法Ⅲ、分析魔法Ⅰ/属性付与、身体強化、瞬間接近
(ふむふむ。なるほど。剣だけでSTRへの補正が350付いてる感じかな。流石王族なだけあって、良い物を使ってるなぁ。これに防具とかも装備したら、更にパラメータが良くなるのか)
ブリックル先生は生徒達から対戦相手の希望を聞き、次々と組み合わせを決めていった。
全ての生徒が対戦相手を得た後、野外の闘技場へ移動になる。
隣を歩くレイチェルが心配そうにステラの顔を覗き込んできた。
「ねぇ、ステラ。大丈夫なの? 王女様はああ見えて結構強いらしいよ」
「う~ん……」
レイチェルが心配してくれるのは嬉しいが、彼女が思うほどステラは弱くない。
ステータスの一部が人間の標準を大きく超えているため、相棒のドラゴンによって、本当のステータスを隠されているのだ。
彼の話によると、この国では出来る限り無害な人物に見せておいた方が生きやすいとのことだったので、問題の箇所だけでなく、ステータスを全体的に改ざんしている。
ちなみに、偽りのステータスはこのような感じだ。
【ジョブ】魔法使い L v24
【サポートジョブ】ナシ
【パラメータ】 STR:7 DEX:5(☆) VIT:20(+100) AGI:54 INT:214(+100) MND:257(+100) HP:850 MP:2,976 (☆)
【アビリティ】攻撃魔法Ⅱ、治癒魔法Ⅲ、防御魔法Ⅲ、生産魔法Ⅴ、分析魔法Ⅴ
(STR→物理攻撃力、DEX→器用さ、VIT→防御力、AGI→素早さ、INT→攻撃魔法威力、MND→回復魔法威力)
これらパラメータのうち、DEXとMPに対してアジ・ダハーカが実際の数値の十分の一にしており、VIT、INT、MNDにはステラが愛用しているトンガリ帽子の装備補正がかかっている。
更に、アジ・ダハーカはジョブとサポートジョブを入れ替えるような書き換えもしている。
正しいステータスはこのようになる。
【ジョブ】アイテム士 L v48
【サポートジョブ】魔法使い L v24
【パラメータ】STR:7 DEX:488 VIT:20(+100) AGI:54 INT:214(+100) MND:257(+100) HP:850 MP:29,760
【アビリティ】効能倍加、効能反転、効果移動、エーテル抽出、エーテル添加、変質/攻撃魔法Ⅱ、治癒魔法Ⅲ、防御魔法Ⅲ、生産魔法Ⅴ、分析魔法Ⅴ
実際のアビリティ11個のうち、6個はアイテム士として習得したので、アジ・ダハーカの書き換えの術により、パラメータ上は綺麗サッパリと消えてしまっている。
嘘のステータスだけで判断されるならば、かなり弱い生徒だと思われても仕方がないのだ。
まぁそれはいいのだが、問題はこれから行う戦闘だろう。
DEXの数値はクリティカル(確率により、実際の実力以上に相手にダメージを与える事)にも影響が出てしまうため、ちょっとした攻撃をしただけで、運悪くエルシィに致命傷を与えかねない。
王族である彼女を”安全に”戦闘不能状態にする方法を考えたいところだ。
(そもそも王女様のステータスはどんな感じなのかな? ちょっと拝見しよう。【アナライズ】!)
前を歩くエルシィの背に向かって手を翳すと、彼女の背中に赤いマークが薄っすらと付き、ステラの目の前にデータが浮かぶ。
【名前】エルシィ・ブロウ
【ジョブ】魔法使い L v34
【サポートジョブ】魔法剣士 L v17
【パラメータ】STR:131(+350) DEX:183 VIT:107(+150) AGI:187 INT:363(+50) MND:315 HP:2,410 MP:5,230
【アビリティ】攻撃魔法Ⅲ、治癒魔法Ⅱ、防御魔法Ⅲ、分析魔法Ⅰ/属性付与、身体強化、瞬間接近
(ふむふむ。なるほど。剣だけでSTRへの補正が350付いてる感じかな。流石王族なだけあって、良い物を使ってるなぁ。これに防具とかも装備したら、更にパラメータが良くなるのか)