京都若旦那の初恋事情〜四年ですっかり拗らせてしまったようです〜
「──ははっ、そうか。この旅館はそんな早とちりで客に暴力を振るうのか。いいか、この女は昔の男に復縁を強請りに来たんだ! 厄介な奴で一人で会うのが嫌だと後輩に泣きつかれて、俺たちは協力に来てやっただけだ!」
「そ、そうだ。この女が悪いのに、何で俺たちが責められなきゃならないんだ!? この件は宿側に抗議させて慰謝料をきっちり払って貰うからな!」
気を持ち直したらしい彼らは被害者を加害者扱いしだした。いや、加害者のくせに被害者ぶり始めたというべきか……
しかし史織が藤本と待ち合わせた事に間違いは無い。違うと言い募ったところで水掛け論となり、話は有耶無耶にされてしまうだろう。
それが分かっているから彼らも勢いを止めない。そうだそうだと史織を責める。
初犯じゃないだろうとは思ったが、言い逃れもそつがないようだ。史織は悔しさに唇を噛み締めた。
「そ、そうだ。この女が悪いのに、何で俺たちが責められなきゃならないんだ!? この件は宿側に抗議させて慰謝料をきっちり払って貰うからな!」
気を持ち直したらしい彼らは被害者を加害者扱いしだした。いや、加害者のくせに被害者ぶり始めたというべきか……
しかし史織が藤本と待ち合わせた事に間違いは無い。違うと言い募ったところで水掛け論となり、話は有耶無耶にされてしまうだろう。
それが分かっているから彼らも勢いを止めない。そうだそうだと史織を責める。
初犯じゃないだろうとは思ったが、言い逃れもそつがないようだ。史織は悔しさに唇を噛み締めた。