京都若旦那の初恋事情〜四年ですっかり拗らせてしまったようです〜
「──ムカつくわあ、うちの旅館を巻き込みくさって……今回は未遂だろうと、学生時代にグレーで済んでいた件も洗い直されるやろな。被害者の一人も自殺未遂を起こしとる。いい加減腹決めてきっちり相応の刑期を全うしてこい」
初犯では無いと疑ったが、そんな事件まで起こしていたとは……改めて藤本を見て顔を顰める。
(あら、でも……?)
「な、何でお前、そんな事まで知ってるんだよお……」
残った一人は情け無く泣き顔を歪めている。
こんな姿を見れば、恐怖もいくらか柔らいできたけれど……
確かに、どうして朔埜はそんな事まで知っているのだろう?