京都若旦那の初恋事情〜四年ですっかり拗らせてしまったようです〜

「府警が来てくれたみたいですから、もう大丈夫でしょう」
 遠くサイレンの音に耳を傾け、乃々夏は呟いた。

「……客商売としては大事にせんで欲しいんやけどな」
「ふふ、それは勿論。四ノ宮を表に立たせたりしませんよ」
「乃々夏ちゃん、いや東郷警部補、立派になったの〜」
「恐れ入ります」
 
 二人の様子を窺いながら、辻口は一人、安堵の息を吐いた。
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