京都若旦那の初恋事情〜四年ですっかり拗らせてしまったようです〜

「……そうなんですか。麻弥子ちゃんは、落ち込んでいませんか?」
「ええ、それは。大丈夫そうでしたよ?」
「なら良かったです」
 そう言ってほっと息を吐くと昂良は少しだけ意外そうな顔をして、やはり嬉しそうに表情を緩める。
「良かった、俺の未来のお嫁さんは、とても優しい人のようだ」
「……」
 え、と声も出せないまま昂良の顔を凝視してしまう。
「麻弥子さんは……うちの母と気が合わなそうだったんです。だから……」
「ち、ちょっと待って下さい!」
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