京都若旦那の初恋事情〜四年ですっかり拗らせてしまったようです〜

 この人の言葉で変わりたいと思った。
 努力は楽しいばかりじゃ無かったけれど、成長している自分に満足していた。でも、自分の欲しい未来がどこにあるか分かっていなかった。……だからもしかしたら、一歩違えば自分も昂良のように過去を悔やみ嫌悪していたかもしれない。

 ……でも、

 こうして手を繋いで見る先は、今から満たされている。
「良かった」
「……何が?」

 変わりたいと思った事。
 あなたに会えた事。

「一緒に未来が見れる事」

 そう言って振り仰ぎ、同じように顔を綻ばせた朔埜と一緒に笑う──
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