スノー&ドロップス
背後から、騒がしい足音と声が聞こえて来た。何事だろうと、私たちは一緒に振り返える。
「……よかった……はぁ、間に合った」
息を切らして走って来た人物は、クラスメイトの藤春雪。
サラサラした色素の薄いロングヘア。長いまつげと小さな鼻に、きれいな色の艶やかな唇。まさに美少女。背景にはキラキラエフェクトと薔薇を背負ってる。
入学して約二ヶ月が経とうとしているけど、話したことなど一秒たりともない。
そもそも、他のクラスメイトとさえ言葉を交わしたことがないぼっちに、こんな人が一体何の用?
黙ったままの私と、隣の鶯くんをぽかんとして交互に見ている。
……あまり、じろじろ見ないで。
正直、この人が私の名を呼んで目の前に立っていること自体に気が気じゃない。何もしていないのに、とばっちりを受けた幼稚園児の気持ちになる。
ーーああ、私は何も約束を破っていないのにって。
「……カレシ?」
首を傾げる彼女。
お願いだから、余計なこと言わないで。
「……よかった……はぁ、間に合った」
息を切らして走って来た人物は、クラスメイトの藤春雪。
サラサラした色素の薄いロングヘア。長いまつげと小さな鼻に、きれいな色の艶やかな唇。まさに美少女。背景にはキラキラエフェクトと薔薇を背負ってる。
入学して約二ヶ月が経とうとしているけど、話したことなど一秒たりともない。
そもそも、他のクラスメイトとさえ言葉を交わしたことがないぼっちに、こんな人が一体何の用?
黙ったままの私と、隣の鶯くんをぽかんとして交互に見ている。
……あまり、じろじろ見ないで。
正直、この人が私の名を呼んで目の前に立っていること自体に気が気じゃない。何もしていないのに、とばっちりを受けた幼稚園児の気持ちになる。
ーーああ、私は何も約束を破っていないのにって。
「……カレシ?」
首を傾げる彼女。
お願いだから、余計なこと言わないで。