お砂糖味のキス

閑話~絆~

数十分前。

私はカフェで冷たいココアを飲んでいた。



「よっ!」


直ぐに待っていた人は来る。

従兄弟の中で唯一私と同い年の人。

昔からその人は呆れるくらい私の事が大好きで,呼べば直ぐに来てくれる。

それは今も変わっておらず,本当に来てくれた上に一言目が



「相変わらず良い女だな」



だった。

これには私も驚いた。

あなた同い年でしょっ!と口にはしなかったけど,思わず渋面になった。

でも,私だって人の事言えない。

この人の事を理解して,私が1番最初に相談しようと思うのもまた,この人なのだから。

主に奏詞への愚痴なんだけど。

電話で今日の話をして



「どうしよう~っ」



と泣きついた。

だから,今日も話をしようと思ったのに……



「まぁ,取り敢えずデートしようぜ? 」



外に連れ出された……

しかも,この人の言葉選びのセンスのなさは健在のようだ。

……いつか大好きな彼女さんに怒られてしまえ!

そんなことを思いながら,特に抵抗することもなく,私は渋々付き合うことにした。
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