お砂糖味のキス
「クレープ食べたいならそういえば良いのに……」

「俺持ちだからいいだろ? それに落ち込んでるときは甘いもん食うのが1番なんだよ」



顔に合わない事を言う……



「お前,久々にガチで落ち込んでんだろ?」



その通りだけど……

あ~あ。

奏詞に会いたいなぁ。

自分でおいてきたくせに,そんなことを思った。



「ん。食ったか? じゃあいくか」



何処に? とかわざわざこいつに聞くのは野暮だと知っている。

結局あちこちつれ回され,でも思ったより早くそれは終わった。



「じゃあ帰るか」



1度言い出したら直ぐに気がすむタイプではないから,少し意外に思った。

聞いてみると,彼女と電話する約束があるらしい。

性格に似合わず乙女で真っ直ぐだ。

可笑しくてつい笑った。



「お前も大丈夫だから気にすんな。今まで話聞いてきた分には多分な。それに,お前は世界で2番目に良い女だ。なんっとかなる!」
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