お砂糖味のキス
私がこの人を1番に頼るのは,この人がこういう人だからだ。
私はいつからか奏詞以外の人に,恥ずかしくて素直に甘えられなくなって。
ツンとなるのはこの人にだけだけど,どれだけツンとしても,この人はちゃんとアドバイスして,励ましてくれた。
そして,この人に彼女が出来て,余計に接し方が分からなくなった。
……一度だけ会って,一緒に出掛けたことがある。
この人が,お互いを紹介したいとか言って,突然私の前に連れてきた。
仕方ないなって笑って
「隆治(りょうじ)」
って名前を呼ぶ,綺麗で可愛くて優しい人だった。
私も大好きになった。
多分,大好きになったその女の人が,この人の世界で1番の人になって。
同時に私が2番になって。
拗ねていたのだ。
絶対に教えてあげないけど,多分私はこの人を兄のように慕っていたから。
取られたような気持ちになった。
この人も私を妹だと本気で思ってる。
だから,この人が連れてきた彼女も,私を大事にしようと最初から好意的で,姉のようだった。
大事な人の大事な人を大事にしようとできる,この人が選んだのは本当にいい人だった。
だから余計に邪険に出来なくて,しまいには大好きになってしまって……
でもこうして笑ってくれるから,私はもういっかって笑う。
隆ちゃんもこの世で2番目に良い男だよ。
……言わないけどね。
「もぅっ何それ! じゃあまたね」
またね……別れの言葉にはいつだって私の本心が現れていた。
だからいつもあの人も笑って帰った。
背中が見えなくなって,
「~っ古都!!」
今度は君の声がした。
私はいつからか奏詞以外の人に,恥ずかしくて素直に甘えられなくなって。
ツンとなるのはこの人にだけだけど,どれだけツンとしても,この人はちゃんとアドバイスして,励ましてくれた。
そして,この人に彼女が出来て,余計に接し方が分からなくなった。
……一度だけ会って,一緒に出掛けたことがある。
この人が,お互いを紹介したいとか言って,突然私の前に連れてきた。
仕方ないなって笑って
「隆治(りょうじ)」
って名前を呼ぶ,綺麗で可愛くて優しい人だった。
私も大好きになった。
多分,大好きになったその女の人が,この人の世界で1番の人になって。
同時に私が2番になって。
拗ねていたのだ。
絶対に教えてあげないけど,多分私はこの人を兄のように慕っていたから。
取られたような気持ちになった。
この人も私を妹だと本気で思ってる。
だから,この人が連れてきた彼女も,私を大事にしようと最初から好意的で,姉のようだった。
大事な人の大事な人を大事にしようとできる,この人が選んだのは本当にいい人だった。
だから余計に邪険に出来なくて,しまいには大好きになってしまって……
でもこうして笑ってくれるから,私はもういっかって笑う。
隆ちゃんもこの世で2番目に良い男だよ。
……言わないけどね。
「もぅっ何それ! じゃあまたね」
またね……別れの言葉にはいつだって私の本心が現れていた。
だからいつもあの人も笑って帰った。
背中が見えなくなって,
「~っ古都!!」
今度は君の声がした。