お砂糖味のキス
「わぁっ!?」



僕は思い切り古都を抱き締める。

僕から抱き締めるなんて,今まではしたくても出来なかった。

でも,もう我慢しなくていい。

古都は驚いているけど,僕が古都をぎゅっとする理由なんて単純なこと。

ただ,古都が可愛くて,僕がそうしたかっただけ。

僕はもう一度古都にキスをした。



「……っふぁっ」

「ふふっ可愛い」



可愛い。

もう,僕だけのもの。



「ケーキ,食べる?」

「う……んん? あれ……それって確か……」






「あ……」

「ふふっ。見て,これ!」



ぐちゃぐちゃになったショートケーキをみて,君はしゃいでいる。



「ふっまぁいっか」

「みっちーにお皿もらってくる!」



みのり……僕のかぁさんの名前。

このケーキをみて直ぐに食べようと思えるのは古都の良いところ。



「かっわいいなぁ」



僕は古都の後ろを追いかけた。





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