今日も一緒に帰ろう
月曜日。気持ちを切り替えられた私は、気分の上がるままに仕事に取りかかった。


「せーんぱいっ。すごい張り切ってますね」



お昼頃、鵜飼くんが私のデスクにきた。
私はタイピングしていた手を止める。


「張り切ってるって言うか、なんか今日はできそうな感じがする!」



私がそう言うと、鵜飼くんがにこっと笑った。


「でも先輩、それほんとですか?」

「え……っ」



嘘じゃないよ、ほんとだよ。

そう言おうとするけど、口がうまく動かない。

あれ、どうしちゃったんだろう……。


横を見ると、さっきまであった鵜飼くんの笑顔が少しだけ消えていた。



「先輩、なんかあったら、俺にいってくださいね」


「え……っと」


口を半開きにしていると、鵜飼くんは私のもとを離れた。


時計を見ると、昼休み中だった。

私は大丈夫なはずだよね?


自分のことなのに何もに分かってないような気がするのは、気のせい……かな。


私のモヤモヤした気持ちとは裏腹に、外は輝くほどの大空が広がっていた。
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