今日も一緒に帰ろう
11月も終わりに近づくある日の夕方。


夜の買い物をして家に着くと、なぜか玄関が空いていた。


「えっ、泥棒……?」


思い返してみたけど、行く前にちゃんと鍵は閉めた……はず。


だとしたら、思い当たることは一つだけだ。



思い切ってドアを開けると、玄関には見慣れない靴が二つあった。

一つは男性もののスニーカーで、もう一つは、女物のヒール。


消したはずの部屋の電気がついている。



「あー麻奈。何してんの」


その声に、身体が無意識に反応する。


玄関に出てきたのは、私の彼氏だった。

そして、彼の腕に抱きつく知らない女性。



「なにっ、してるって……」


いろんな感情が交じった声が、震えて発せられる。


「お前の家が近くにあったから合鍵で入ったけど。いいよな?俺はお前の彼氏なわけだし」


どんなことを思っていっているのか知らない。
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