今日も一緒に帰ろう
『……はい、先輩。どうしたんですか?』


声が、聞こえた。


「うっ……」


『えっ、先輩どうしたんですか!?……泣いて、るの?』


「ごめんね……」


口からは謝罪の言葉しか出てこなくって、頭はさっきの出来事でいっぱいだった。


『先輩っ、今、どこにいるんですか……?』

「家のっ、近くの……」


『家にはいないんですね、分かりました。……そこで、待っててくださいね』


電話は繋げられたまま、ドアを開く音がした。
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