今日も一緒に帰ろう
玄関の鍵を開けると、先輩が靴棚の扉にもたれかかっていた。


「えっ、先輩っ!」


荷物を床に置いて、そばへ跪いた。


肩に触れるとものすごく冷たい。

声をかけても返事がないから、寝ているんだろう。


とりあえず自分のスーツの上着をかけて、先輩を起こした。



「先輩、先輩、起きて下さい。風邪引きますよ」


肩を数回叩くと、一瞬険しそうな顔をしてんん……。と目を開けた。



「うか、いくん……?」

「なにしてるんですか、先輩。こんなとこで……」



顔が近くて、慣れてるはずなのにどきどきしてしまう。

寝起きでうるんだ瞳がこちらへ向いた。



「ごめんね、私、すぐ出るから……」

「えっ、ちょっと!」
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