今日も一緒に帰ろう
「謝って離れるなら、俺のそばにいて」


そんな声が聞こえたかと思うと、背中から抱きしめられた。

久しぶりに感じた、愛しいぬくもり。


好きだ。鵜飼くんが。


名前を呼ぶと、「そのままで聞いてて下さい」と言われた。


私の耳に息を吸う音が聞こえるまで、時間が流れる。

いったん離れた腕はまた私の身体を包んだ。
今度は少し、力が強い。



「俺、先輩のことが好きです」


次の瞬間に聞こえたのは、その言葉だった。



すき。

あの“好き”だろうか。


「鵜飼くん……」


泣き殺しているせいか、声を出すとおえつが漏れてしまった。

顔を手でおおう。


涙は止まらなかった。
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