今日も一緒に帰ろう
私は鵜飼くんに一緒に住まないかと言われ、数日間はここにいさせてもらうことにした。

二人で隣り合い、ソファに座る。



「麻奈先輩」

「なに?鵜飼くん」


会社では秘密にしてるけど、そういう関係ってことは多分いずれバレるだろう。


「先輩は、いいんですか?」

「えっ、なにが?」


すると鵜飼くんは唇をぎゅっとかんで、たれ目を少しつり上げた。



「……彼氏です。俺、どうしても許せない」


私の彼氏に二日前、鵜飼くんと尋ねにいった。

すると彼氏はあっさりと別れを告げて、席を立ち去った。


もう二度と見ることのない背中。


というか、浮気してたとか私もいえる立場じゃないんだけど。

だからこそ、私なんかが鵜飼くんと付き合ってていいのかときどき不安に思う。


そのことを言ったら、「俺は先輩のこと好きなんで大丈夫です」って言われてしまった。
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