黒子ちゃんは今日も八重樫君に溺愛されて困ってます〜御曹司バージョン〜
ある日、給湯室に行くと数人の女子が集まっていた。
「二条さん! おはようございます」
「おはようございます。今日は皆さんお揃いで」
「それがですね、八重樫君が女の子とデートしているの目撃したって子がいて、今話聞いているところなんです」
それは私でしょうか。
そんな事を思っていると別の子が話し始めた。
「昨日、友達に八重樫君の写真見せたら、映画館で見たことあるって言ってて、なんか彼女と手を繋いでいたらしく」
えっと、いつどこであなたは八重樫君の写真を撮ったのでしょうか? まさか盗撮じゃないですよね。
なんて聞けない。
「八重樫君本人だったら最悪ですぅ」
元気に挨拶してきた女の子がそう言った。
はい。それは八重樫君ですね。しかもその女、私です。
なんてことはもっと言えない。
話題をすり替えなければ。
「あの、そう言えば、ミッション確認しました」
私は彼から回答を引き出したもののその後のハプニングですっかり伝え忘れていたあの話を伝えた。
「さすが黒……二条さん。ありがとうございます! 八重樫君彼女いないんだ。なら他人の空似ってやつ? ほっとしたぁ」
今黒子って言おうとしたよね?
まぁいっか。ミッションのお陰で私は無事、噂のタネを根絶することもできたし、許してやろう。
その日以来、八重樫君狙いの子達は真っ赤なリップを付けていた。
恋する女の子たちは可愛い。
金曜に仕事を終えて、エレベーターに乗ると、誰かが閉まるドアをこじ開けて乗ってきた。
「やっと2人きりになれた」と言って八重樫君が笑顔で私を見つめてくる。
何なんですかその笑顔。
「営業って外回りばっかりで中々会社で2人きりになれないもんだね」
「職場ですから」
「冷たく言う割に、たまに俺に熱い視線を送ってたよね」
いやいや送ってない。
ただ、今日はいるのかと見ていただけだ。
そりゃ少しだけ目で疲れを癒していたとも言えなくもないが、それは八重樫君のお顔が美しいからであって、決して八重樫君に熱い視線を送っていたわけではない。
それに八重樫君には見つからないように上手く目をそらしていたつもりだったが、気付かれていたのか。
「お仕事頑張っているなと感心していました」と何とか誤魔化した。
すると八重樫君は「ありがとう。二条さんも仕事頑張ってたね」と言って、私の頭をぽんぽんとしてくれた。
「喜びすぎ」
私の表情を見て察したのか、八重樫君は照れ臭そうにしながら私の手を繋いできた。
え? 何故手を繋ぐのですか?
「二条さん! おはようございます」
「おはようございます。今日は皆さんお揃いで」
「それがですね、八重樫君が女の子とデートしているの目撃したって子がいて、今話聞いているところなんです」
それは私でしょうか。
そんな事を思っていると別の子が話し始めた。
「昨日、友達に八重樫君の写真見せたら、映画館で見たことあるって言ってて、なんか彼女と手を繋いでいたらしく」
えっと、いつどこであなたは八重樫君の写真を撮ったのでしょうか? まさか盗撮じゃないですよね。
なんて聞けない。
「八重樫君本人だったら最悪ですぅ」
元気に挨拶してきた女の子がそう言った。
はい。それは八重樫君ですね。しかもその女、私です。
なんてことはもっと言えない。
話題をすり替えなければ。
「あの、そう言えば、ミッション確認しました」
私は彼から回答を引き出したもののその後のハプニングですっかり伝え忘れていたあの話を伝えた。
「さすが黒……二条さん。ありがとうございます! 八重樫君彼女いないんだ。なら他人の空似ってやつ? ほっとしたぁ」
今黒子って言おうとしたよね?
まぁいっか。ミッションのお陰で私は無事、噂のタネを根絶することもできたし、許してやろう。
その日以来、八重樫君狙いの子達は真っ赤なリップを付けていた。
恋する女の子たちは可愛い。
金曜に仕事を終えて、エレベーターに乗ると、誰かが閉まるドアをこじ開けて乗ってきた。
「やっと2人きりになれた」と言って八重樫君が笑顔で私を見つめてくる。
何なんですかその笑顔。
「営業って外回りばっかりで中々会社で2人きりになれないもんだね」
「職場ですから」
「冷たく言う割に、たまに俺に熱い視線を送ってたよね」
いやいや送ってない。
ただ、今日はいるのかと見ていただけだ。
そりゃ少しだけ目で疲れを癒していたとも言えなくもないが、それは八重樫君のお顔が美しいからであって、決して八重樫君に熱い視線を送っていたわけではない。
それに八重樫君には見つからないように上手く目をそらしていたつもりだったが、気付かれていたのか。
「お仕事頑張っているなと感心していました」と何とか誤魔化した。
すると八重樫君は「ありがとう。二条さんも仕事頑張ってたね」と言って、私の頭をぽんぽんとしてくれた。
「喜びすぎ」
私の表情を見て察したのか、八重樫君は照れ臭そうにしながら私の手を繋いできた。
え? 何故手を繋ぐのですか?