黒子ちゃんは今日も八重樫君に溺愛されて困ってます〜御曹司バージョン〜
「すみません。どうぞ」と言ってトイレを譲った瞬間、私は手に持っていなければならないはずの物が無いことに気がついた。
振り返ったが時すでに遅し。
すでにドアは閉められ鍵も閉まっている。
急いでいたため、手を洗う際にスマホを洗面台の端に置いたのを忘れていたのだ。
画面は裏返していたはず。
お願い神様……。
八重樫君が終わるのをトイレの扉の前で待っていたが中々出てこない。
緊急事態にしては長くないですか? 大きい方ですか?
もしかして、スマホ気付かれた?
私は居ても立っても居られずに扉に近づいて八重樫君に届く声で尋ねた。
「あの、大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ」
そう言ってにっこり笑顔で出てきた八重樫君の右手には私のスマホが光っていた。
見てる、絶対見られている!
「こんな所でこんなの読んでるなんて意外ですね」
「違うんです。あれは、たまたまああゆうシーンでして、その……」
「大丈夫ですよ。トイレでエッチな漫画読んでたなんて事は内緒にしておきますから。だってその方が楽しいでしょ?」
楽しい? 何を楽しんでくれちゃっているんですか!
「これで俺、二条さんの秘密2つ知っちゃった」
2つ? 何のこと?
「これはお返しします。俺、エッチな女性も好きですよ」
八重樫君は私の耳元でそう囁くとスマホを私の手に押しつけて悪魔の微笑みを浮かべながら席に戻った。
とんだ誤解が生じているではないですか!
課金してしまったあまり、たまたま襲われシーンに突入し、ドアをノックされた私は慌てて画面ロックもせずに手を洗うため、洗面台の上に置いてしまったのだ。
どんなに急いでいても、急き立てられても忘れ物が無いかのチェックを怠ってはならない。
こんな些細な事が致命傷になるケースがあることをこれからの私は痛感するのである。
席に戻ると私が座るべき席の隣には八重樫君が座っていた。
神様、どうしましょう。
「二条さん、トイレ長かったですね」
「女性にトイレの長さを指摘するもんじゃ無いよ八重樫君。まだ社会人になったばかりだから分からんか。私が教えてやろう」
酔っ払った部長は課長とともに八重樫君に社会人たるものはと言う事を説いていたが、違うんですよ部長、この子はそんなピュアな子ではありません。
「二条君も立ってないで座りなさい。疲れるだろう」
部長に言われて私は仕方なく八重樫君の隣に座った。
すると酔っ払い上司の相手をする八重樫君は誰にも気付かれることのないようにテーブルの下で私の膝の上に手を乗せてきた。
な、何? この手は何? 何をする気なの?
振り返ったが時すでに遅し。
すでにドアは閉められ鍵も閉まっている。
急いでいたため、手を洗う際にスマホを洗面台の端に置いたのを忘れていたのだ。
画面は裏返していたはず。
お願い神様……。
八重樫君が終わるのをトイレの扉の前で待っていたが中々出てこない。
緊急事態にしては長くないですか? 大きい方ですか?
もしかして、スマホ気付かれた?
私は居ても立っても居られずに扉に近づいて八重樫君に届く声で尋ねた。
「あの、大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ」
そう言ってにっこり笑顔で出てきた八重樫君の右手には私のスマホが光っていた。
見てる、絶対見られている!
「こんな所でこんなの読んでるなんて意外ですね」
「違うんです。あれは、たまたまああゆうシーンでして、その……」
「大丈夫ですよ。トイレでエッチな漫画読んでたなんて事は内緒にしておきますから。だってその方が楽しいでしょ?」
楽しい? 何を楽しんでくれちゃっているんですか!
「これで俺、二条さんの秘密2つ知っちゃった」
2つ? 何のこと?
「これはお返しします。俺、エッチな女性も好きですよ」
八重樫君は私の耳元でそう囁くとスマホを私の手に押しつけて悪魔の微笑みを浮かべながら席に戻った。
とんだ誤解が生じているではないですか!
課金してしまったあまり、たまたま襲われシーンに突入し、ドアをノックされた私は慌てて画面ロックもせずに手を洗うため、洗面台の上に置いてしまったのだ。
どんなに急いでいても、急き立てられても忘れ物が無いかのチェックを怠ってはならない。
こんな些細な事が致命傷になるケースがあることをこれからの私は痛感するのである。
席に戻ると私が座るべき席の隣には八重樫君が座っていた。
神様、どうしましょう。
「二条さん、トイレ長かったですね」
「女性にトイレの長さを指摘するもんじゃ無いよ八重樫君。まだ社会人になったばかりだから分からんか。私が教えてやろう」
酔っ払った部長は課長とともに八重樫君に社会人たるものはと言う事を説いていたが、違うんですよ部長、この子はそんなピュアな子ではありません。
「二条君も立ってないで座りなさい。疲れるだろう」
部長に言われて私は仕方なく八重樫君の隣に座った。
すると酔っ払い上司の相手をする八重樫君は誰にも気付かれることのないようにテーブルの下で私の膝の上に手を乗せてきた。
な、何? この手は何? 何をする気なの?