黒子ちゃんは今日も八重樫君に溺愛されて困ってます〜御曹司バージョン〜
八重樫君の趣味には思えない。
「そっか」
「ここさ、プラネタリウムが良いらしいよ」
「へぇ」
「どうした?」
「何が?」
「いや、なんかいつもと反応が違う気がして。こういうの嫌い?」
こういうのも何も、八重樫君と一緒に行く相手が女性かもしれないと思うとどうしても辛く当たってしまう。
「楽しそうだね」
「でしょでしょ。じゃあ今日はここにしよう」
笑顔ではしゃぐ八重樫君はすっと立ち上がり、「早く準備して! 閉まるの結構早いからさ」と私を見下ろしながら言ってきた。
ん? 展開が読めない。準備してとは?
私の混乱をよそに八重樫君は着る服を選び始めた。
「何してんの?」
「え? ごめん、私も行っていいの?」
「は? 1人で行けと?」
「1人?」
「何? 行きたくないの?」
「そうじゃなくて、誰かと行くんじゃないの? 朝からスマホいじってたし、メール打ってる感じだったし」
「あぁ、SNSでみんなにオススメの場所聞いてた。先週からずっと宇宙行きたくてさ」
宇宙という言葉で全てが繋がった。先週SF映画で宇宙ものを観てから確かに今週ずっと宇宙っていいな、ロマンあるよなと言っていた。
だがしかし、科学館とプラネタリウムで宇宙に繋がるようなシナプス構造を残念ながら私は持ち得ていない。
それならそうと早く私に言ってくれたらいいのだが、八重樫君はこうと決めると周りが見えずに自分の世界に入ってしまう。
八重樫君は朝起きてやっぱり宇宙に行きたいと思い立って調べてみたものの、科学館とやらは夕方には閉まるため集中して調べていたようだ。
私達が初めて出かけた鎌倉も映画の影響だった。八重樫君は本当に映画に影響されやすい。
小さな町の定食屋の映画の影響で一時期食卓は和食一択になったり、スパイ映画のかっこいい主人公に影響され数日オールバックにして出社したりすることもあった。オールバックはあまり似合わず、周りの反応がイマイチなのに気が付きすぐに止めたが、分かりやすいほどに影響される。
ただし影響されるものとされないものの違いは分からず、私はただただ自由奔放な八重樫君に振り回されている。
八重樫君が急かすので私はウィッグとコンタクトはつけたものの、メイクはナチュラルでサッと済ませスポーティーなお姉さんスタイルに仕上げた。
「あ、新鮮。そういうのも好き」
八重樫君は真っ直ぐに私を見つめて笑顔で言うので恥ずかしくてすました顔で目を逸らした。
「コーヒーだけだとお腹空くだろうからこれ食べて」
八重樫君はテーブルの上に用意された一口サイズのおにぎりを手に取って私の口に押し込んできた。
おにぎりまで作ってくれるとは脱帽です。
私達は小腹を満たすといつもの車で科学館に向かった。
「そっか」
「ここさ、プラネタリウムが良いらしいよ」
「へぇ」
「どうした?」
「何が?」
「いや、なんかいつもと反応が違う気がして。こういうの嫌い?」
こういうのも何も、八重樫君と一緒に行く相手が女性かもしれないと思うとどうしても辛く当たってしまう。
「楽しそうだね」
「でしょでしょ。じゃあ今日はここにしよう」
笑顔ではしゃぐ八重樫君はすっと立ち上がり、「早く準備して! 閉まるの結構早いからさ」と私を見下ろしながら言ってきた。
ん? 展開が読めない。準備してとは?
私の混乱をよそに八重樫君は着る服を選び始めた。
「何してんの?」
「え? ごめん、私も行っていいの?」
「は? 1人で行けと?」
「1人?」
「何? 行きたくないの?」
「そうじゃなくて、誰かと行くんじゃないの? 朝からスマホいじってたし、メール打ってる感じだったし」
「あぁ、SNSでみんなにオススメの場所聞いてた。先週からずっと宇宙行きたくてさ」
宇宙という言葉で全てが繋がった。先週SF映画で宇宙ものを観てから確かに今週ずっと宇宙っていいな、ロマンあるよなと言っていた。
だがしかし、科学館とプラネタリウムで宇宙に繋がるようなシナプス構造を残念ながら私は持ち得ていない。
それならそうと早く私に言ってくれたらいいのだが、八重樫君はこうと決めると周りが見えずに自分の世界に入ってしまう。
八重樫君は朝起きてやっぱり宇宙に行きたいと思い立って調べてみたものの、科学館とやらは夕方には閉まるため集中して調べていたようだ。
私達が初めて出かけた鎌倉も映画の影響だった。八重樫君は本当に映画に影響されやすい。
小さな町の定食屋の映画の影響で一時期食卓は和食一択になったり、スパイ映画のかっこいい主人公に影響され数日オールバックにして出社したりすることもあった。オールバックはあまり似合わず、周りの反応がイマイチなのに気が付きすぐに止めたが、分かりやすいほどに影響される。
ただし影響されるものとされないものの違いは分からず、私はただただ自由奔放な八重樫君に振り回されている。
八重樫君が急かすので私はウィッグとコンタクトはつけたものの、メイクはナチュラルでサッと済ませスポーティーなお姉さんスタイルに仕上げた。
「あ、新鮮。そういうのも好き」
八重樫君は真っ直ぐに私を見つめて笑顔で言うので恥ずかしくてすました顔で目を逸らした。
「コーヒーだけだとお腹空くだろうからこれ食べて」
八重樫君はテーブルの上に用意された一口サイズのおにぎりを手に取って私の口に押し込んできた。
おにぎりまで作ってくれるとは脱帽です。
私達は小腹を満たすといつもの車で科学館に向かった。