黒子ちゃんは今日も八重樫君に溺愛されて困ってます〜御曹司バージョン〜
八重樫君がおじさんになった時はきっともっとかっこいいんだろうな。
その時彼の隣には誰がいるんだろうか。私……いや、これ以上は期待してはいけない。
今は私に奇跡が起きているだけだ。
駅に着き、部長は私達にお礼と言ってお金を渡してきた。
「少なくて悪いんだが、それで美味しいものでも好きな物でも買ってくれ。本当に今日はありがとう」
今日のチケット代もランチ代も全て部長が支払ってくれている。
私達は断ったが、気持ちだからと言って強引に渡してきた。
部長を立てるためにも私達はお礼を言って受け取った。
立ち去る部長の車を見送って私達は帰路についた。
家に帰ると八重樫君が珍しく提案してきた。
「今日お風呂一緒に入らない?」
私達がお風呂を共にすることはほぼない。
だが、たまにこうやって提案してくることがある。
「いいよ。今日はどれにする?」
私が入浴剤を選んでいると八重樫君は後ろから私に抱きついて甘えてきた。
どうしたんだろう……。
「ねぇ、どれにする?」
八重樫君は箱の中を見もせず手を突っ込んで適当に入浴剤一つを取り上げた。
「適当に選んだでしょ」
「うん。何でもいい。双葉と一緒に入れるんなら」
え? 可愛いんですけど。子供返りですか?
だが、そう思った瞬間、八重樫君の手は大人な手つきで私の服を脱がせてきた。
入浴剤によって乳白色に濁った湯船に2人で浸かった。
八重樫君は私を後ろから抱くような形で嬉しそうに鼻歌を歌っている。
えっと、さっき少しだけ、ほんの少しだけだけど、大人な展開を期待した私を返してくれないかな八重樫君。
お風呂では大人な営みが始まるでもなく、普通に二人でお湯につかっているだけだ。
「双葉、今日楽しかった?」
「楽しかったよ」
「水族館好き?」
「久しぶりに行ったけど水族館やっぱり楽しいね」
「だから、水族館は好き?」
「うん。水族館好きだよ」
「星羅ちゃん好き?」
「うん、好き。可愛かったよね。蓮、蓮って懐いていたから蓮も幸せだったでしょ?」
「うん。素直な所がとっても可愛かった」
八重樫君は私の顔を覗き込みながら何か言いたげに答えている。
そうですね、私は素直になりきれていませんよ。
「部長は好き?」
「は? 何その質問」
「部長かっこいいよな。双葉、帰りの車の中で部長見つめてただろ」
「み、見つめてないよ」
「なに動揺してんの」
「動揺なんてしてないよ。蓮が変なこと言うからでしょ」
「俺という最高の彼氏がいながら部長の彼女になろうなんて」
「してない、してないよ」
私は体ごと振り返って八重樫君に念押しした。
だが、振り返った時に見た八重樫君の顔は悪戯をしている子供の笑顔だった。
あれ……? 怒って……ない?
「引っ掛かった」
八重樫君は私を捕まえてキスをしてきた。
八重樫君は私の反応を楽しんでいるんだ。
疑っている訳ではないことに安心した。
「双葉は誰が好きなの?」
「蓮です」
「ん?」
「蓮が好きです」
普段は言わない好きをどう引き出すか、八重樫君は鼻歌を歌いながら考えていたのだう。
案外さらっと言うもんだから八重樫君は少し拍子抜けしている。
覚悟しなさいお坊ちゃん。私だって言わせてやるんだから。
「蓮は誰が好きなの?」
「うーん。それも分からないようじゃお仕置きするしかなさそうだ」
そんな! 私に好きを言わないなんて八重樫君は卑怯だ。
でもこのキスには抗えない。
今日はこのキスに免じて許してやろう。
その時彼の隣には誰がいるんだろうか。私……いや、これ以上は期待してはいけない。
今は私に奇跡が起きているだけだ。
駅に着き、部長は私達にお礼と言ってお金を渡してきた。
「少なくて悪いんだが、それで美味しいものでも好きな物でも買ってくれ。本当に今日はありがとう」
今日のチケット代もランチ代も全て部長が支払ってくれている。
私達は断ったが、気持ちだからと言って強引に渡してきた。
部長を立てるためにも私達はお礼を言って受け取った。
立ち去る部長の車を見送って私達は帰路についた。
家に帰ると八重樫君が珍しく提案してきた。
「今日お風呂一緒に入らない?」
私達がお風呂を共にすることはほぼない。
だが、たまにこうやって提案してくることがある。
「いいよ。今日はどれにする?」
私が入浴剤を選んでいると八重樫君は後ろから私に抱きついて甘えてきた。
どうしたんだろう……。
「ねぇ、どれにする?」
八重樫君は箱の中を見もせず手を突っ込んで適当に入浴剤一つを取り上げた。
「適当に選んだでしょ」
「うん。何でもいい。双葉と一緒に入れるんなら」
え? 可愛いんですけど。子供返りですか?
だが、そう思った瞬間、八重樫君の手は大人な手つきで私の服を脱がせてきた。
入浴剤によって乳白色に濁った湯船に2人で浸かった。
八重樫君は私を後ろから抱くような形で嬉しそうに鼻歌を歌っている。
えっと、さっき少しだけ、ほんの少しだけだけど、大人な展開を期待した私を返してくれないかな八重樫君。
お風呂では大人な営みが始まるでもなく、普通に二人でお湯につかっているだけだ。
「双葉、今日楽しかった?」
「楽しかったよ」
「水族館好き?」
「久しぶりに行ったけど水族館やっぱり楽しいね」
「だから、水族館は好き?」
「うん。水族館好きだよ」
「星羅ちゃん好き?」
「うん、好き。可愛かったよね。蓮、蓮って懐いていたから蓮も幸せだったでしょ?」
「うん。素直な所がとっても可愛かった」
八重樫君は私の顔を覗き込みながら何か言いたげに答えている。
そうですね、私は素直になりきれていませんよ。
「部長は好き?」
「は? 何その質問」
「部長かっこいいよな。双葉、帰りの車の中で部長見つめてただろ」
「み、見つめてないよ」
「なに動揺してんの」
「動揺なんてしてないよ。蓮が変なこと言うからでしょ」
「俺という最高の彼氏がいながら部長の彼女になろうなんて」
「してない、してないよ」
私は体ごと振り返って八重樫君に念押しした。
だが、振り返った時に見た八重樫君の顔は悪戯をしている子供の笑顔だった。
あれ……? 怒って……ない?
「引っ掛かった」
八重樫君は私を捕まえてキスをしてきた。
八重樫君は私の反応を楽しんでいるんだ。
疑っている訳ではないことに安心した。
「双葉は誰が好きなの?」
「蓮です」
「ん?」
「蓮が好きです」
普段は言わない好きをどう引き出すか、八重樫君は鼻歌を歌いながら考えていたのだう。
案外さらっと言うもんだから八重樫君は少し拍子抜けしている。
覚悟しなさいお坊ちゃん。私だって言わせてやるんだから。
「蓮は誰が好きなの?」
「うーん。それも分からないようじゃお仕置きするしかなさそうだ」
そんな! 私に好きを言わないなんて八重樫君は卑怯だ。
でもこのキスには抗えない。
今日はこのキスに免じて許してやろう。