黒子ちゃんは今日も八重樫君に溺愛されて困ってます〜御曹司バージョン〜
違うだろう。
そんな事、今更考えてどうする。
最初から分かっていたはずだ。
永遠には続かなかって。
それを認めたくなくて必死に一人でもがいて、この1週間はあれこれやってあげているという自己満足だけで目の前の人を見ていなかった。
ずっと続かなくても、続かないからこそ、今この時を大切にしなければならないのだ。
「ごめん、俺言い方きつかった?」
「違うの。自分がダメだなって思って。でももう大丈夫」
そう、この一瞬、一瞬を楽しもう。
初めて自分から八重樫君の腕にしがみついた。
驚いた八重樫君は不思議そうに私を見ている。
「腕組まれるの嫌い?」
「いや、珍しいなと思って」
「良いじゃんたまには」
本当は凄く凄く甘えたかった。でも、甘えるのが怖かった。
こんなに甘えん坊な頼りない年上女は嫌だろうと、我慢していた。
もしかしたら甘えたい気持ちがおじさんキャラ漫画に走らせてしまっていたのかもしれない。
その日は私の苦手なパニック映画を観させられた。
だが、そのお陰で私は思う存分、八重樫君に甘えられた。
繋いだ手を離さず、驚いた時は彼の腕にしがみつき、見たいけど見たくない時は彼の腕を使って隠れるように隙間からスクリーンを見ていた。
「めっちゃ腕痛い」
映画が終わると八重樫君は私に向かって抗議した。
「ごめん。ちょうど良い所に腕があったから」
申し訳なく言う私に八重樫君は笑顔を見せながら私の頭をくしゃくしゃにした。
私は嬉しくなってまた八重樫君の腕にしがみついた。
いつものようにカフェに行き、映画の話をしていた。
その間も私は八重樫君の手を離さなかった。
「ねぇ、何で今日はずっと手繋いでんの?」
「なんとなく。繋いでいたいから」
「双葉がそんなこと言うの珍しいな」
「キモい?」
「いや。帰ろっか。話しは家でもできるし」
私達は家に帰った。
この1日の幸せをジャスミンの香りの入浴剤で倍増させた。
私はお風呂から上がり、先にお風呂を済ませた八重樫君が横たわるベッドに入り、自ら八重樫君に抱きついた。
「あんまり可愛いことしないでくれる?」
「え?」
「今日の双葉可愛すぎて我慢できなくなるから」
「可愛い?」
「うん。いつも可愛いけど今日はいつにも増して可愛い。何か笑顔もいつもと違う」
「ありがとう。今日は思う存分楽しんだの。本当に蓮といると私は楽しいんだ。今まで甘えたかったけど、甘える勇気なくて、我慢してたけど、今日はうーんと甘えてみたらもっともっと楽しかった。おばさんなのに変だよね」
「双葉はおばさんじゃないよ。変でもないし、これからももっと甘えていいよ」
「本当? でもキモい時はキモいって言ってね」
「はいはい。キモいって思ってる双葉がキモい」
「なにそれ」
「甘えるのに歳なんか関係ないよ。俺の母親なんて未だに親父相手にぶりっ子してるよ」
「可愛いお母さんだね」
そんな事、今更考えてどうする。
最初から分かっていたはずだ。
永遠には続かなかって。
それを認めたくなくて必死に一人でもがいて、この1週間はあれこれやってあげているという自己満足だけで目の前の人を見ていなかった。
ずっと続かなくても、続かないからこそ、今この時を大切にしなければならないのだ。
「ごめん、俺言い方きつかった?」
「違うの。自分がダメだなって思って。でももう大丈夫」
そう、この一瞬、一瞬を楽しもう。
初めて自分から八重樫君の腕にしがみついた。
驚いた八重樫君は不思議そうに私を見ている。
「腕組まれるの嫌い?」
「いや、珍しいなと思って」
「良いじゃんたまには」
本当は凄く凄く甘えたかった。でも、甘えるのが怖かった。
こんなに甘えん坊な頼りない年上女は嫌だろうと、我慢していた。
もしかしたら甘えたい気持ちがおじさんキャラ漫画に走らせてしまっていたのかもしれない。
その日は私の苦手なパニック映画を観させられた。
だが、そのお陰で私は思う存分、八重樫君に甘えられた。
繋いだ手を離さず、驚いた時は彼の腕にしがみつき、見たいけど見たくない時は彼の腕を使って隠れるように隙間からスクリーンを見ていた。
「めっちゃ腕痛い」
映画が終わると八重樫君は私に向かって抗議した。
「ごめん。ちょうど良い所に腕があったから」
申し訳なく言う私に八重樫君は笑顔を見せながら私の頭をくしゃくしゃにした。
私は嬉しくなってまた八重樫君の腕にしがみついた。
いつものようにカフェに行き、映画の話をしていた。
その間も私は八重樫君の手を離さなかった。
「ねぇ、何で今日はずっと手繋いでんの?」
「なんとなく。繋いでいたいから」
「双葉がそんなこと言うの珍しいな」
「キモい?」
「いや。帰ろっか。話しは家でもできるし」
私達は家に帰った。
この1日の幸せをジャスミンの香りの入浴剤で倍増させた。
私はお風呂から上がり、先にお風呂を済ませた八重樫君が横たわるベッドに入り、自ら八重樫君に抱きついた。
「あんまり可愛いことしないでくれる?」
「え?」
「今日の双葉可愛すぎて我慢できなくなるから」
「可愛い?」
「うん。いつも可愛いけど今日はいつにも増して可愛い。何か笑顔もいつもと違う」
「ありがとう。今日は思う存分楽しんだの。本当に蓮といると私は楽しいんだ。今まで甘えたかったけど、甘える勇気なくて、我慢してたけど、今日はうーんと甘えてみたらもっともっと楽しかった。おばさんなのに変だよね」
「双葉はおばさんじゃないよ。変でもないし、これからももっと甘えていいよ」
「本当? でもキモい時はキモいって言ってね」
「はいはい。キモいって思ってる双葉がキモい」
「なにそれ」
「甘えるのに歳なんか関係ないよ。俺の母親なんて未だに親父相手にぶりっ子してるよ」
「可愛いお母さんだね」