8つの怖い話
☆☆☆

その本に書かれていた話はどれも全国的に有名な話ばかりだった。


人面犬、こっくりさん、口裂け女。


それらがどのように現れるか、どのように行われるか。


そして、それを体験した人たちが最後にはどうなってしまったのか。


すでに知っている話ばかりだったが、作者のオリジナリティ溢れていたため、気がつけば1時間も図書室でその本を読んでいた。


ふと顔を上げると太陽は沈み始めていて、窓から差し込む光が和らいでいた。


この本は借りて帰ろう。


そう思って席を立ったときだった。


いつの間にそこにいたのか、振り向くと1人の女性が立っていた。


「きゃっ!」


今まで怖い話を読んでいたこともあり、驚いて悲鳴を上げてしまった。


図書室内に自分の悲鳴が少しだけ響いて恥ずかしさを感じる。
< 161 / 248 >

この作品をシェア

pagetop