8つの怖い話
ゆっくり走れば走るほど、坂道はきつくなる。
そしてどうにか坂道を登りきった時、前方に海が見えた。
太陽の光を反射してどこまでも続いていく大海原だ。
そのずっと手前に視線を落とせば海岸沿いに植えられている松林が目に入り、更に手前にはノーブレーキで坂道をくだっていく仲間たちが見えた。
みんな『ヒューッ!』とか『キャーッ!』とか、楽しげな声をあげて。
『しおり、怖かったらブレーキかけてね。わたし先に行くけど、ゆっくりでいいからね』
わたしはしおりにそう声をかけて、しおりは頷いた。
だからみんなと同じようにノーブレーキで坂道を一気にくだって行ったんだ。
耳元で風がうなり、その風を自分が作り出しているんだと思うとワクワクした。
どんどん海が近づいてきて、潮風に変わったら体がベタつく感じがしてくる。
それでもすごく心地よくて『キャーッ!』と声を上げて自転車で坂を走りおりていく。
こんなに心地良い気持ちになったことは初めてだった。
こんなに楽しくて、笑いが止まらなくなるのだって、はじめてだった。
先に坂をくだってきたみんなは下の道で待ってくれていた。
そしてどうにか坂道を登りきった時、前方に海が見えた。
太陽の光を反射してどこまでも続いていく大海原だ。
そのずっと手前に視線を落とせば海岸沿いに植えられている松林が目に入り、更に手前にはノーブレーキで坂道をくだっていく仲間たちが見えた。
みんな『ヒューッ!』とか『キャーッ!』とか、楽しげな声をあげて。
『しおり、怖かったらブレーキかけてね。わたし先に行くけど、ゆっくりでいいからね』
わたしはしおりにそう声をかけて、しおりは頷いた。
だからみんなと同じようにノーブレーキで坂道を一気にくだって行ったんだ。
耳元で風がうなり、その風を自分が作り出しているんだと思うとワクワクした。
どんどん海が近づいてきて、潮風に変わったら体がベタつく感じがしてくる。
それでもすごく心地よくて『キャーッ!』と声を上げて自転車で坂を走りおりていく。
こんなに心地良い気持ちになったことは初めてだった。
こんなに楽しくて、笑いが止まらなくなるのだって、はじめてだった。
先に坂をくだってきたみんなは下の道で待ってくれていた。