8つの怖い話
交通量は少ないけれど、サーフボードを屋根に乗っけた車などが走っている。


『しおり!!』


自分が叫んだのか、誰が叫んだのかよくわからなかった。


しおりの後方から車が迫ってきていた。


運転手は真っ直ぐな上り坂でアクセルを踏み込んでいたのか、下りに差し掛かってもスピードは出たままだった。


しおりが異変に気がつて振り向いた。


その途端自転車が制御を失って、横倒しに倒れた。


ガチャンッ! と大きな音がしてしおりの体が投げ出される。


それからはまるでスローモーションのようにその光景を見ていた。


投げ出されたしおりの体は道路に打ち付けられて転がった。
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