８つの怖い話
「もう大丈夫ですよ」


「ありがとうございます。助かりました。もうずっと前から警察官につきまといをされていて、困っていたんです」


「そんなに前からですか」


それはどこかに相談したほうがいいのではないかと思ったとき、彼女のロッカーの下から赤い液体が流れ出てきたんだって。


「はい。だからそのたびにここに運んでくるのが大変で」


「え？」


液体から彼女へ視線を移した次の瞬間、ナイフで腹部を突き刺されていた。


周りには誰もいない。


サラリーマンはその場に膝をついて女性を見上げた。


「ごめんなさいね。見られちゃったから」


そういうと女性はロッカーを開けたんだ。


その中にあったのは……殺されて、血まみれになった警察官だった。


サラリーマンは叫び声を上げたけれど、今度は首を切られて声も出せなくなった。


そして死んだ警察官の横のロッカーに押し込められて、今でもそこにいるんだって……。
< 37 / 248 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop