8つの怖い話
「これで8つの怖い話の1つめは終わり。次は誰にする?」


直人の言葉に他の7人は一瞬黙り込んだ。


そう、1話目を初めてしまったということは、残り7つも怖い話を集めてこうして披露しないといけないということなのだ。


誰もが黙り込み、互いの目をみかわせたり、誰とも目をあわせないようにうつむく。


「誰でもいい。でも、できれば目新しい怖い話がいいと思うんだ。よくある学校の花子さんとか、そういうのはナシで」


直人は自分の番が終わって安心したせいか、途端に饒舌になった。


「今直人が披露したような、リアルなヤツがいいってことだね」


アズサがみんなの顔を見回して言う。


でも、そんな話を集めてくることができるかどうかはわからない。


再びみんなが黙り込んでしまいそうになったときだった。


1人がおずおずと白い手を上げた。


「セナ?」


直人が手を上げたセナへ視線を向ける。
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