8つの怖い話
「次は、私が探してくる」


「ちょっとセナ、大丈夫なの?」


隣に座る美聡が心配そうに声をかけるが、セナは力強く頷いた。


そのわりには顔色が悪い。


「大丈夫。怖い話は苦手だけど、話をしてくれそうな人はいるの」


「そっか。じゃあ明日はセナの番ってことで」


直人の言葉で他の6人がホッとしたようにため息を吐き出した。


とにかく自分の番は少しでも後のほうがいい。


だけど最後になるのは嫌だ。


そう考えているのが表情だけでわかるようだった。


「今日は聞いてくれてありがとう」


直人はそう言うと、微笑んで立ち上がったのだった。
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