8つの怖い話
やっと自体を飲み込んで瑠璃子が頷く。


「うん」


「だけど、どうして私が怖い話を知ってると思ったの?」


「瑠璃子ちゃんは 勉強家で物知りだもん。さっきだって視聴者さんのためにメイクを勉強したって言ってたし」


それなら怖い話を勉強したことがありそうだった。


「まぁ、たしかに色々と聞いたことはあるけどさ。セナたちが探しているのはよくある怖い話じゃなくて、もっとリアルな話なんでしょう?」


「うん」


「それって、聞いてて気分が悪くなったりしない?」


セナは思わず返事に詰まってしまった。


みんなが知っている嘘だとわかる怖い話よりも、リアルな怖い話のほうが聞いていて気分が違う。


今日だって直人の話を聞きながら胸の奥がずっしりと重たくなったのを覚えている。


直人が話を終えた後もみんなしばらく無言だったし。
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