8つの怖い話
☆☆☆

翌日学校へ行くとすでに投稿してきていた美聡が駆け寄ってきた。


「セナ! ねぇ、怖い話は見つかったの?」


ずっと気になっていたのはかけよってすぐにそう質問される。


「うん。一応ね」


セナは困ったように眉を寄せて答える。


本当はすっごく怖い話を入手したのだけれど、あまり期待されないよう『一応』と付け加え、自信のなさそうな表情をする。


それを見た美聡は安心したように表情を緩めた。


「そっか、一応は見つかったんだね。だけどそんなに怖くはないの?」


「そうだね。聞く人によると思うけど、普通かな」


「よかったー! 昨日の直人の話がすっごく怖かったから、心配してたんだよね。

あと7回もあんな話を聞かされるのかなぁって」


そう言われうとセナは申し訳ない気分になった。


瑠璃子が教えてくれた話は直人が披露した話にも負けないと、本当は思っているから。


「私だって怖い話はあまり得意じゃないもん。本当に怖い話なんて集められるわけないじゃん」


「だよねー!」


美聡はすっかり元気を取り戻している。
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