8つの怖い話
「本当にそう思う? 降霊術っていうのはずーっと昔からやられていることで、現代まで伝わってるのよ?」


物知りな真紀にそう言われるとなにも言えなくなってしまう。


「降霊術にも色々と種類はあると思うよ? コックリさんとか有名だし」


アズサをフォローするように美聡が言う。


「そ、そうだよね。コックリさんくらいならみんなやったことがあるけど、あれは誰かが十円玉を動かしているだけだもんね」


アズサが少し安心したように微笑む。


「そうだよ。真紀、あんまりアズサを怖がらせちゃだめだよ」


セナに注意されて真紀は頭をかく。


「ごめんね。つい夢中になっちゃって」


そう言って背中に回していて右手を差し出す。


そこには一冊の文庫本が持たれていて、『白魔術、黒魔術』と書かれている。


表紙は黒に白文字で、ガイコツのイラストがそえられていた。
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