8つの怖い話
そうこうしている間にアズサと真紀もやってきて全員が集まった。


男子たちもちゃんとベンチに座り、セナは女子たちに囲まれるようにして座った。


こうしてその時が近づいてくるとさすがに緊張する。


ちゃんと話すことができるだろうか。


昨日瑠璃子ちゃんに聞いた時と同じくらい、怖い話に聞こえるんだろうか。


頭野中が途中で真っ白になったらどうしよう。


そんな不安が次から次へと浮かんできて拭うことができない。


握りしめた手にはジットリと汗が滲んでいて、ハンカチで何度ふいても意味がないくらいだ。


人前で話すのってこんなに緊張することだったんだ。


直人はすごいな。


昨日そんなに緊張しているようには見えなかったもん。


「大丈夫だから、落ち着いて話を聞かせて」


直人が緊張しているのを見抜いてそう声をかけてきた。
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