8つの怖い話
「僕たち別に会談家を目指しているわけじゃないんだから、いつも会話するのと同じように話してくれたらいいから」


直人にそう言われて肩の力がスッと抜けていくのを感じた。


そっか。


私達は別にプロの会談家になりたいわけじゃない。


普段から話しなれているわけじゃないし、そもそもうまく話せるかどうかなんて誰も期待していないんだ。


普段どおりでいいんだ。


目を閉じて何度か深呼吸をする。


そしてまた目を開けたとき、みんなの笑顔が見えた。


これから怖い話をするとわかっているのに、遊んでいるときと同じ表情。


それを見てセナも自然と笑うことができた。


これなら大丈夫ようだ。


「私は近所にいるOLさんから話を聞いてきたよ」


瑠璃子ちゃんは本当はリアルチューバーだけど、OLということにしてほしいとお願いされていたのだ。


「タイトルは、『下着泥棒』」
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