8つの怖い話
☆☆☆

予定していた通り瑞穂から怖い話を聞くことができたけれど、思っていた以上の話だった。


あれを自分の口でどれだけみんなに伝えられる不安だった。


放課後になるまで何度もトイレはひと気のない場所で話の練習をする。


しかし、練習をすればするほど気分が悪くなっていき、話に出てきた人たちの顔が鮮明に浮かんできてしまう。


こんなの自分の妄想だと思ってみても、その顔が消えることはなかった。


瑞穂から聞いた話はそのくらい衝撃的だったのだ。


「もう放課後か……」


結局自身がないまま放課後が来てしまった。


ここまで来たら覚悟を決めるしかない。


ランドセルを背負っていつもの公園へと歩き出したとき、ふと気がつけば4年生の教室の前に立っていた。
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