８つの怖い話
指切りげんまん

これは私の友達のAちゃんから聞いた話だよ。


Aちゃんの友達の中にはSちゃんっていう、ちょっと変わった転校生がいたの。


Sちゃんの地元は山奥の村で、その名前を聞いても誰も知らなかったの。


言葉もなまりが強くてクラスにもなかなか馴染むことができなかったSちゃんだけど、クラスメートのKちゃんとは仲良くなることができたんだって。


２人共マンガを描くのが好きだったから、そこから話をするようになったみたい。


そしてある日、SちゃんはKちゃんと約束を交わしたんだって。


「マンガが描けたら一番最初にお互いに見せ合おうね」


それまでマンガを描いても恥ずかしくて誰にも見せることができなかった２人だからこそできた約束です。


SちゃんはKちゃんに小指を立てて見せたんだって。


Kちゃんは頷いて、自分の小指を絡ませ合ったの。


「ゆーびきーりげんまん　嘘ついたら　針千本飲まーます！　指切った！」


それはごく普通の指切りで、Kちゃんも何度もやってきたことだったの。
< 92 / 248 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop