虹色 TAKE OFF !! 〜エリートパイロットは幼馴染み〜

 私たちは、クヒオ通りのハワイアン・ブティックを冷やかして歩いた。
 ワイキキは、高級ホテルや大型ショッピングセンターが軒を連ねるカラカウア通りが賑わいの中心だけど、それより陸側を並行して走るクヒオ通りの方が、落ち着いた雰囲気のブティックやアクセサリーショップがたくさんある。

「これなんか、理恵に似合いそうだね」

 九条くんがそう言ってくれたのは、クロスバックの肩紐がついた、マキシ丈の花柄のドレスだった。 
 いつもの私なら、鮮やか過ぎて買うのをためらってしまうようなデザインだけど、九条くんのお勧めだし、ここはハワイだし──。
 
 頑張って試着して、彼の前に立ってみた。

 九条くんは、一瞬息を呑むようにして、そしてにっこり笑ってくれた。

「すごく綺麗だ。可愛いよ、理恵」

 嬉しいな。 
 じゃあ、水着も頑張っちゃおう。

 私は真っ白なビキニに、パレオを付けて九条くんの前に立ってみた。

「り、理恵……」

 九条くんは真っ赤になって、少し口ごもるようにして、言った。

「すごく素敵だよ。……でも、俺以外の人の前では、パレオは外さないでよ」

 九条くん、カワイイ。
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