虹色 TAKE OFF !! 〜エリートパイロットは幼馴染み〜
失う時って、いつも一瞬。
幸せの淡いベールに甘く浸っていると、何の前触れもなくベールは裂けて、冷たく暗い地の底に叩きつけられる。
冷たく鋭い岩肌に心を切り裂かれながら、ついさっきまでこの身を包んでいた幸せに、懸命に手を伸ばしてすがりつこうとしても、
何も戻らない、何も還らない。
失われた甘いぬくもりを想って、ただ、泣き叫ぶことしかできない。
高いところから墜ちるように、
幸せが大きいほど、愛が深いほど、
地の底に叩きつけれた心は、ズタズタに切り裂かれて、真っ赤な血を流す。
泣いても叫んでも、幸せは、戻らない。
その日は突然、やってきた。