虹色 TAKE OFF !! 〜エリートパイロットは幼馴染み〜
皆が見つめるなか、7028便は高度を下げていく。
高度を読み上げる九条くんの声が、スピーカーから流れてくる。
『ハンドレッド……』
100フィート、残り30メートル。
7028便は誘導灯の光の波を飛び越して、D 滑走路のアスファルトの上に来ている。
『フィフティー……フォーティー……』
15メートル……12メートル……、
『サーティー……トウェンティー……』
9メートル……6メートル……、
『テン』
3メートル……!!
次の瞬間、大鷲の爪のように伸びた7028便のランディング・ギアが、白煙を上げてアスファルトを捉えた。
歓声と拍手、皆が立ち上がった。
だが……、
「おい、逆噴射してないぞ!」
直人さんの叫びで、歓声が悲鳴に変わった。
「オーバーランだ! 海に突っ込む!!」
「正臣!!」「九条さん!!」「九条さま!!」
スピーカーから九条くんの絶叫が流れてくる。
『止まれぇぇぇぇぇーっ!!』
滑走路に轟音が響き渡り、赤い火花が散った。
そして私は、気を失った。