虹色 TAKE OFF !! 〜エリートパイロットは幼馴染み〜
エピローグ
そして私と九条くんは、アメリカ大陸の上空1万メートルで、みんなに祝福されながら永遠の愛を誓いました。
賛美歌の斉唱と聖書の朗読。
牧師さまの問いかけに、二人で答えた誓いの言葉。
エンゲージリングを交わして、ベールアップ、そして誓いのキス。
私たちが重ねた手に、牧師さまが手を置いて祈りを捧げられて──。
牧師さまが出席の皆さんに、私たちの結婚を報告してくださった時の感動は、私の一生の宝物です。
そしてロサンゼルスで披露宴。
私も九条くんも、何度もお色直しして、
飲んで笑って歌って……。
次の日、私と九条くんはそこから、私たちの家族や仲間たちに見送られながら、思い出のハワイにハネムーンに旅立ちました。
そしてハワイの別荘で半月ほどゆっくり過ごしてから、日本に戻って、二人が出会ったあの街で、新たな一歩を踏みだしました。
私たちの新居は、どこにでもある小さな2階建てです。でも将来、子供がたくさん生まれてもいいように、間取りに余裕を持たせました。
ちなみに、なんとドバイのシャキール家が私たちの新居提供を申し出ていてくれたのですが、瑠美おばさん──もう、お義母さまですね──の、
「調べておいた方がいいわ。あの人たちは良くも悪くも、常識に掛からないから」
というアドバイスに沿って建築見取り図を取り寄せてみたら、北関東の山を一個丸々買い取ってアラブ風の宮殿を建てようとしていたことが分かって、申し訳ないけどお気持ちだけ頂いて、建築資金の一部を、『青の基金』に充当させていただきました。