虹色 TAKE OFF !! 〜エリートパイロットは幼馴染み〜

 九条くんの親切な申し出を、私は半分受け、半分辞退した。
 
 つまり、九条くんの不在の間のお部屋の管理やお掃除、ちょっとした買い出しはするけど、住み込みはせずに、ハーレム地区にある真理のアパートから通うことにして、預けられたカードはその必要の範囲で使わせてもらうことにした。
 もちろん、お給金なんてもらわない。

 意地を張ったわけじゃないけど、ただ幼馴染みというだけでここまでの好意に甘えてしまうのは、いくらなんでも厚かましすぎるし、九条くんに頼りきってしまうことが恐かった。

 九条くんを疑う気はないけど、彼はもう私とは別の世界にいる。
 なにかの事情で、彼が私との距離を取らざるを得なくなったとき、私に九条くんを引き止めることはできないし、許されもしないだろう。
 
 九条くんの重荷になってしまうのが、恐かった。
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