虹色 TAKE OFF !! 〜エリートパイロットは幼馴染み〜
黒い記憶

甘い毎日


 私は九条くんのマンションに戻って、彼と暮らし始めた。
 
 なんか……恥ずかしい。

 最初は住み込みのハウスキーパーのはずだったのに、紫月さんの一件で九条くんとの距離が一気に縮まって、普通に恋人同士になった感じ。

 そう考えると、これって……同棲、だよね。

 まあくんと、同棲。
 
 なんか、理解が追いつかない。
 でも……幸せ。

 九条くんは、相変わらず優しい……というより、なんだかすごく甘々になって、素敵な王子さまが、人懐っこい大型犬に変身したみたい。
 やたらと私をハグしたり、肩や首筋に甘噛みしたり、キスしたりするようになってきた。

 恥ずかしくて、外歩けないよ、九条くん。
 ……嬉しい、けど。

 もちろん、彼も私も30だから、可愛いだけの関係では終われない。 

 あれから二人、一つのベッドで寝るようになった。
 
 九条くんのマンションは、寝室ごとにシャワーとバスタブがついていて、しかもガラス張りで中は丸見え。一応、ブラインドは下げられるようになっているけど。

 開放感があっていいよね、なんて彼は言うけど、恥ずかしいし、目のやり場に困ってしまう。
 
 九条くん、分かってやってるでしょう?
 そんな、鍛えあげられた彫刻のようなボディでシャワーシーンを見せつけられたら、女の子はイチコロです。

 私の裸は、お見せするようなものじゃないけど。
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