虹色 TAKE OFF !! 〜エリートパイロットは幼馴染み〜
お互いにシャワーを浴びると、湯のほてりと石鹸の匂いを漂わせたまま、私たちは白いシーツに素肌をさらして、柔らかなベッドに身体を投げ出した。
子供が無心に砂場を掘り返すように、私たちはお互いのデリケートな部分を、探り合い、愛し合った。
実は、まだ九条くんとは結ばれていない。
私はまだ、行為の最中に田村部長の影に苛まれてしまう。私が部長に刻みつけられた傷は、それほど深かった。
でも、それよりも、九条くんの愛の方が優った。
「理恵、愛してるよ」
九条くんは繰り返し囁いて、こわばった私の心と身体をほぐしてくれる。
「大丈夫。どんな理恵も、愛しいから」
固く閉じてしまいそうな私を、九条くんは丹念に愛して、優しく導いてくれる。
私は、九条くんに愛されて少しづつ開いていく、小さな花のようだった。
九条くんは、私にまとわりつく黒い影に、気付いている。
でもそれを知った上で、私の闇を払うように、暖かく優しく、愛してくれる。
私の素敵な、まあくん。
愛さずになんて、いられない。