虹色 TAKE OFF !! 〜エリートパイロットは幼馴染み〜
「すごいね。素晴らしいよ、早川くん」
田村部長はとても喜んで、何度も私を抱き締めてくれた。
そして、
「どうだろう、一度私が君の集めたデータに目を通してみようじゃないか。そこで問題がなければ、君が企画会議でこのアイディアを提案すればいい。君のところの課長には、私から話をしておこう」
私は、神に祝福された幸せな巫女のような心持ちだった。
そして期待に胸を膨らませて、企画会議で発表するための準備を進めていった。
でも──。
10日経っても、田村部長から私のデータ類が戻って来ることは無かった。
そして、恐ろしい噂を耳にした。
役員会で田村部長が、私のアイディアを自分の発案として発表したことを。
そしてプロジェクトリーダーとして、私ではない別の誰かが、任命されたことを──。