虹色 TAKE OFF !! 〜エリートパイロットは幼馴染み〜

 長いフライトの果てに、機体は夕陽が沈んだ後の羽田空港に着陸した。
 
 入国手続を終えて荷物を受け取ると、私たちはレンタカーを受け取って首都高速に乗って、真っ直ぐ皇居のお堀沿いにある帝都ホテルを目指した。
 心細い思いをしているはずの篠原さんを、早く安心させてあげたかった。

「先輩!!」

 帝都ホテルに着いてスイートルームのドアを開けると、篠原さんは子犬のように飛びついて来て、私にしがみついた。

「先輩……怖かった……、先輩……」

 泣きじゃくる篠原さんの背中を撫でながら、

「明日美ちゃん、もう大丈夫だからね」

 私は何度も、優しく声をかけた。

 そんな私と篠原さんには目もくれずに、高見澤さんはスイートルームの中をいろいろ見てまわってから、

「ふうん、悪くないな」

 そう呟いて、私たちのところに戻ってきた。

「九条が選んだだけあって、セキュリティも通信設備も完璧だ。この部屋をベースキャンプしよう」

 そして言った。

「早川さん、嬢ちゃん。今から戦闘開始だ。だがその前に、まずは腹ごしらえしようぜ」
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