告白までのカウントダウン
「それで、話したいことって?」
そう言いながら海先輩は一歩、私に近づく。
…好きって言いたいのに、その二文字が出てこなくて。
それに、フラれたら。きっと部活に遊びに来てくれても今までのように柔道ができないかもしれない。
「……最後に打ち込みの相手、してもらってもいいですか?」
私は呼び出してまで一体何を言っているんだ…。
柔道着だってないのに。
きっと海先輩も呆れているに違いない。
「…打ち込み?」
でも私の想像とは裏腹に。
海先輩は、パチパチと大きく瞬きをしたあと、おもむろに学ランのボタンを三つ外し。
「どうぞ」
笑顔で両手を広げてくれた。