告白までのカウントダウン
「じゅう」
海先輩が数え終わると同時に、バンと思い切り背負い投げをする。
「…真歩?」
投げたと同時にしゃがんで顔を隠してしまった私の頭を、海先輩は寝転がったまま優しく撫でる。
「……嫌です海先輩。ずっと一緒に柔道してください」
言葉にするとずっと我慢していた涙が流れて、ぐすっと鼻声になってしまった。
「うん。そんな可愛いこと言われると。
俺も卒業なんてしたくなくなっちゃうな」