Gentle rain
「へええ…あの一目ぼれだとおっしゃっていた彼女さんとですか……」

「うん。」

「さすがは社長ですね。」


興奮している秘書の子を見ていると、なんだか自分まで、手に入るのが難しいものを買ったような気がする。

「さすがは、できる男は違いますね。」

「そうかな。」

そう言われると、照れる自分がいる。

「そのできる男に、ご一報なんですが。」

「ん?」

秘書の子は、一枚の書類を俺の目の前に差し出した。

「森川社長より、またお仕事の依頼が入っております。」

「森川社長から?」

先ほど電話で話をした時には、何も言っていなかったのに。


俺は少し疑問に思いながら、秘書の子が差し出した書類に、目を通した。

「プロジェクト?」

そこには、森川社長との共同制作で、新感覚の庭園を造ろうというものだった。
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